山ねこ不動産 店主の中原です。本日は、「更地神話」に関するお話!

「空き家は更地にした方が売れる」というのは、お客さんからよく言われるのです。だから、とにかく「取り壊したい!」と感情的に考える人がいます。(実話) でも、ちょっとだけ待っていただきたいのです。それ、本当ですか? ホンマに更地のほうが売れるの? 得なの?

結論から言いましょう。

場合によります。(当たり前)

再開発の著しい都心の一等地なら、よほどの理由が無い限り、更地の方が売れるでしょう。土地の値段が十分に高いなら、建物の解体費用なんて安いものです。多少代金が増えても、事業の計画にぴったりの物件を新築したほうが、結局、投資対効果(ROI)を高めます。この場合は、 「空き家は更地にした方が売れる」 は正しいでしょう。

ところが、もし該当物件が、再開発の予定のない山間部にあったらどうでしょうか? 新築に適した更地なんて余ってます。土地の値段に対して、建物の解体費用や新築費用は莫大です。そういう場所の更地をわざわざ購入して、新しい物件を新築してROIは高まるのでしょうか? あるいは、そんなもの好きは、多数いると思いますか?

そもそも、立地によって不動産価格は変動するが、建物の解体・新築費用は、人件費なのでそこまで劇的に変動しません。もしかしたら、山間地域の方が交通の便が悪く、高いかもしれない。要するに、山間地域では相対的に、建物より土地の価格が安く見られがちなのです。

正直な話、土地に殆ど値段が付かないような山間地域の空き家を解体して更地にしても、その解体費用を回収するのは相当困難です。ですから、 「空き家は更地にした方が売れる」 を妄信して、とりあえず解体するのは、止めたほうが無難です。

では、どうすればよいのか?

答えは簡単です。買う人、借りる人の立場に立って考えましょう。市場価格をチェックしてみましょう。売る人、貸す人の都合は一切通用しません。

「2000万円かけて建築したから、2000万円で売りたい」とか
「解体に200万円かかったから、売価に200万円上乗せしたい」などという、あなたの都合は一切通用しません。
土地だけ安くても、新築するコストは殆ど変わりません。だから、新築する人はちょっと無理しても便利な場所の土地を買います。

平均的な値段に対して、解体費用を払っても売却益が望める値段をつけれるのならば、「更地にして売る」のも良いでしょう。(解体費の回収は約束できませんが・・・)

もしそれが難しくても、とにかく現状の物件状態に値段をつけて販売することも可能です。基本的に、不動産仲介業は成果報酬なので、市場で売り出す事によるコストはありません。売れなければ、次の転回を考えれば良いのです。(悩むだけムダです。) 「ボロボロだから住めない!」と思ってるのは、アナタだけかもしれませんよ?

山ねこ不動産では、このような価格査定に関する業務も行っております。「どうせ売れない」とか「更地にしなければ」など悩まず、妙な神話に流されず、気軽にご相談ください。マーケット感覚から、どうすれば展開できるのかを一緒に考えます。 ぜひ!