本巣市・揖斐川町の北部で、田畑(農地)と山林の所有権を手放す賢い方法を解説します。

相続による固定資産税負担を軽減したい

相続によって、突然、農地や山林の所有者になったら戸惑いますよね? すでに都市部に居住していて、田舎の実家に頻繁に帰ったり、農地の維持のための草刈りをするのは大変です。近所の親戚や親しい他人に頼もうにも、その人たちは、すでに高齢で頼みにくい。あるいは、もう親戚がいないかもしれません。これまで、シルバー人材センターなどに草刈りを頼んでいたけど・・・「これ、いつまで頼み続けるんだろう・・・?」と不安になりますよね。

そして、毎年5月に届く固定資産税の納税通知書をみて、ため息をついていませんか? 「なんで、なんの利益も無くて、使っていない土地の固定資産税を払い続けるのだろう・・・」

この悩みは、ごもっともです。では、解決する方法を考えましょう!

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ポイント1 不可能な希望を捨てる

解決するために、先ず、実現しない希望を捨てましょう。典型的には以下ですが、期待する時間のムダです。おススメしません。

A 息子、娘が帰ってくる(農業をする)
B 市町村に寄付する
C 国に返す
D すでに貸している地域の住民に譲る

ABは、論外です。これを期待している限り、負担は消えないでしょう。Cは、制度として「相続土地国庫帰属制度」がありますが、帰属させるには負担金が必要です。一般に想像されるより困難です。

Dを期待されている方が、非常に多いのですが、著者は、所有者=>貸している地域住民への売買・譲渡契約が成立しているのを見たことがありません。多くの場合、山間地で農業をすでに営んでる住民は高齢者が多く、買ってまで農地を広げたいと希望している人は稀なのです。期待するのは止めましょう。

ポイント2 空き家とセットで販売する

田畑(農地)と山林 を処分(売却)する1番かんたんな方法は、新しく農業を始める人(新規就農者)や、家庭菜園の愛好家に売却する事です。農地法の制限が緩和されたため、売却可能です。希望者はいっぱいいます。

その上で、 新規就農者や、家庭菜園の愛好家に売るために、住宅をセットで販売する必要があります。なぜならば、新規就農者のほとんどは移住者だからです。遠くの都市に住みながら、あなたの田畑に通ってくれたりしません。もし、農地に隣接した空き家があるならば、できる限りセット販売をするようにしましょう。

逆に言えば、「空き家だけ販売してしまった」場合や、「農地の1部を太陽光パネルの事業者に販売してしまった」場合は、残った部分を販売するのはかなり難しくなります。ご注意ください。

ポイント3 バラバラに販売しない

田畑(農地)と山林 の処分(売却)を検討する場合、すぐに「太陽光パネル事業者」を想像してしまいますが、これは悪手ですので、よく考えましょう。太陽光パネルの事業者は、日当たりの良い土地しか買い取りません。また、空き家や設置困難な山林は買い取りません。したがって、一部を先に売却してしまうと、残った部分を売却するのが難しくなります。

とりわけ、空き家に隣接した日当たりの良い畑を、太陽光パネルの事業者に売却してしまうと、空き家はほぼ確実に売れなくなります。太陽光パネルの隣に住みたい移住者など、存在しないからです。ご注意ください。

ポイント4 保安林等極端に利用が難しく、固定資産税負担のない山林を除外する

ポイント1、2において、 新規就農者や家庭菜園の愛好家を対象とした、住居農地山林のセット販売の重要性と、個別販売のリスクを解説しました。

とはいえ、「なんでもセットにすればOK」とまでは言えません。 新規就農者や家庭菜園の愛好家 であっても、保安林に指定されているような急流沿いの山林や、崖の上の山林を所有したいとは考えていないからです。それらを、販売するセットに含めてしまうと、今度は売れなくなります。セット販売には、適切な組み合わせと、距離範囲があるのです。買主の理想の生活を想像して尊重し、こちらの都合を押し付けるのは止めましょう。

セット販売に、極端に条件の悪い山林を除外したとしても、固定資産税負担はそれほど大きくなりません。保安林などはそもそも税負担がありませんし、山林は税率が高くないからです。

一方で、あなた(所有者)は、森林経営管理法により、管理責任があります。その責任を回避するために、行政等による森林経営管理権集積計画や森林バンクなどを活用しましょう。

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