こんにちは。山ねこ不動産店主の中原です。山ねこ不動産は、岐阜県本巣市、揖斐川町で営業する地域密着の不動産のお店です。

この記事では、空き家の売却を急いだほうが良い理由を説明します。親族の不和や、登記の不整合、遠方に住んでいるなどなど、様々な理由で持て余している空き家の整理は進みません。そのお気持ちは良く分かります。

しかし、やっぱり、多くの空き家の流通を手掛ける弊社としては、できる限り早めの意思決定をおススメします。オーナー様のご相談を受けた際、「ああ、もう手遅れだ」とか「これは完全に、負動産だなぁ」と思う事があります。その話を聞いた多くのオーナー様は、困惑したり怒ったり、悲しくなったりします。

そういう姿は、見たくありませんので、「なぜ急ぐ必要があるのか?」を説明します。

土地の安い中山間地での物件全体の価格の遷移

上のグラフは、土地の安い中山間地の不動産物件全体の土地引き価格を表したものです。赤い線が、売却した場合にオーナー様が受け取る金額にります。

そして、このグラフの特徴は、ある時点で建物が使用不能になり、解体が必然となる分岐点が存在することです。この分岐点を超えると、解体に必要となる金額が、不動産全体の価格を押し下げます。そして、中山間地の土地の値段は、解体費用と比較して安いため「お金を払っても手放せない負動産」になってしまいます。

この分岐点は、それ以前に新しいオーナー(買主)がリフォーム、屋根修理、雨どい修理などを実施すれば、回避できます。

多くのオーナーさまは、この解体の分岐点による大幅な下落について想像しておりません。「更地にした方が高くなるのでしょう?」とか「解体費用って、50万円ぐらい?」などと言います。もちろん、使用価値の少なくなった建物を解体したほうが有利な場合も多くあるのですが、その戦略は土地の値段が十分に高い場合しか使えません。

更地でも土地の値段が200万円を下回る物件の場合、建物によっては、それを上回る解体費がかかるため「解体して売る」などというリスクを取る人はいません。また、「現状のままタダで貰って欲しい」とおっしゃる方もいますが、条件が悪すぎて先ず売れません。

賢明なるオーナーさまにおかれましては、先ず、土地自体の値段を把握の上、その上に立つ物件が「あと何年ぐらい使用に耐えうるのか?」を良くご理解ください。そして、その期間をできるだけ長くするため、維持管理をしましょう。(雨どいの詰まりの放置とか、雨どいの破損放置とか、雨漏り放置とか、絶対にダメ) 土地が安い場所の場合、建物自体に価値が無くなれば、途端に「負動産化」しますので、よくよくご理解ください。想像されるよりも、空き家の中のゴミ処理や、解体には大きなお金が必要となります。「買主にそれをやらせる」としても、負担は変わらないのです。